編集後記 祭りだ!ワッショイ!!号

今年も8月6日が近づいてきました。我が家ではこの頃になると『夏の花』(原民喜)を読み返します。この散文は20ページほどですが、人類史上誰も経験したことのない究極の情景を伝えるためにほとんど比的表現はありません。読後、家族の間では原民喜が妻の墓参りのために買った花の名前やその翌々日に落とされた原子爆弾のことが話題になり、いつになく会話が続きます。こうふのたよりにはその対極にある穏やかな情景写真の中に花や木の記事が掲載され、読むたびに私たちの会話の素材が増えていきます。
《リリー・ウエル》

第27号【表紙】

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